EOS R6 review - color test vs EOS R
今度こそ本気のミラーレス? - EOS R比での色再現性について検証する
- 一段と磨きがかかったJPEG
- Adobe Camera Rawでは若干異なる傾向に
- またも完璧に近いDigital Photo Professional
- ColorChecker Passportとの相性は悪い?
- Adobeプロファイルベースは今回も優秀
- Picture Style Editorも極めて優秀
- 避けられないモアレと偽色
- 偽色は自然物でも
- 結論
2020年7月、EOS R5と共に発表されたEOS R6。2年前に登場し様々な面で話題になったCanonフルサイズミラーレス第一弾、EOS Rと比較してどうなのか。本稿では主に色再現性について検証します。
検証に用いるのはいつもの被写体。セッティングに関しても前回とほぼ同等です。
光源は前回から用いているSh50Pro-S。WBはマクベスのWBカードでのプリセット。露出は背景の銀一グレーカード(旧)で取っています。
Sh50Pro-S & LDA9N-D-G spectrum test
レンズはRF24-105mm F4L IS USMで焦点距離50mm、絞りはF8.0。ボディのレンズ補正はこれまで同様極力デフォルト設定に準じるものとし、周辺光量とDLO(デジタルレンズオプティマイザ)はon(R6は標準)、歪曲補正はoffとしています。
R6は電子シャッターを用いるとDレンジが低下することが判明しているため、今回は両機種ともに通常のシャッターを用いています。
参考:Photographic Dynamic Range versus ISO Setting
色空間はAdobeRGB。sRGB設定で撮影、現像した場合とは数値も見た目も大きく異なります。ただしこのページに貼り付けてあるものはブラウザでの表示を考慮しsRGBに変換してあります。一部外部にリンクしてあるものにはAdobeRGBのファイルもあるので表示環境にはご注意下さい。
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1. 一段と磨きがかかったJPEG
ではまず撮って出しJPEGの各PS(ピクチャースタイル)の値から見ていきます。
前回同様EOS Rも優秀ですが、R6はほとんどの項目でそれを上回る結果に。より理想値に近く、定評あるCanon機の色再現性に更なる磨きがかかったようです。特に個人的に重視しているRもFF(Faithful:忠実設定)では完璧な値となり、他のPSでも理想的な範囲に収まっているのはとても良い感触です。
ただ、その一方でFFのCがマイナスに傾き、Bもそれに準じた動きをしているのは若干気になるポイントと言えそうです。
Gに関してはいつものCanon。AdobeRGB設定だとプラス側に大きく回るのは最早お約束で、sRGB設定を前提に調整されているのでは?と思ったりも。とは言えそれもR6では若干ながらも理想値に近づいており、特に差異が大きいFD(Fine detail:ディテール重視)でもRの+24から+22と改善。やはり全体的に見てもより扱いやすくなっていると評価できます。
4PSの理想値との差異をグラフ化したもの。
こうして見るとR6がより理想値に近づいていることがよくわかります。特にFFのRからMはほぼベタ付きで、完璧と言っても過言ではないレベル。NL(Neutral:ニュートラル)も極めて安定しており調整用が容易に行えそうな印象です。
しかしその一方で、FFのCがマイナスに傾いていることもはっきりと視覚化されました。Cは理想的でBだけマイナスのRと異なり、B,C共にマイナスに傾いていることが特徴的です。
ただ、これはある意味補正しやすいパターンであることも意味しています。
チャート比較。sRGB変換前のAdobeRGBファイルはこちら。
差異の大きなところははっきりと。しかし多くの部分であまり区別がつかないくらいに類似した傾向を見せており、とても異なる機種とは思えないレベル。Canonの色管理が非常に優秀で、一貫性が保たれていることの証左でしょう。図らずもEOSであれば絵作りの方向性は同じとの主張を確認することになりました。
参考:キヤノン「EOS R5/R6」 開発者が語る“絵作り&手ブレ補正&バッテリー” | マイナビニュース
そしてFFのCは-4ともなると差異は明確で、明らかにG側に傾き緑がかっていることがわかります。これはこれでありかもしれませんが、正確な色を再現したいのであれば補正は必須でしょう。
全体像。
背景のグレーバランスなど、認識できる差異がないわけではありません。
しかし、同一機種のJPEGとDPP(Digital Photo Professional)でもこの程度の差異は生じることを考慮すれば、誤差の範疇とみなして問題のないレベル。カメラとしての面白味には欠けるかもしれませんが、道具としてこの一貫性はとても魅力的。機種を変えても少ない手間で以前と類似した環境を構築することが可能で、機種毎に方向性がコロコロ変わってしまうブランドではできない芸当。色に拘りEOSを使い続けるユーザーがいるのも納得できる結果となりました。
2. Adobe Camera Rawでは若干異なる傾向に
次にACR(Adobe Camera Raw 13.0)の値を見ていきます。
デフォルトプロファイルであるAdobe Color(Acol)とAdobe Neutral(ANL)、そして参考として旧デフォルトプロファイルであるAdobe Standard(ASD)を取得します。
なお、201206現在EOS R5/R6のCanon用プロファイルは実装されていません。
//210102
ACR14でR5/R6用プロファイル(カメラマッチング)が実装されました。
//
GやRではより理想値に近づき、JPEGと類似した傾向。しかしその一方で、B,M,Cではむしろ差異が広がる結果となりました。
こうしてグラフ化するとそれがより顕著に。そしてRと同じプラス側に傾いているMと異なり、B,Cはそれぞれプラスとマイナス反対方向へと差異が広がっている。つまりこれは、補正がやりにくいパターンでもあることも示しています。
チャート比較。sRGB変換前のAdobeRGBファイルはこちら。
2度以上の差異がある部分は色味の差が見受けられるものの、B,M,Cの差異自体は1度以内ということもあり、JPEG FFのCのような明確な色転びがあるようには見えません。そもそもGの3度以外の差異は全て2度以内。異なる機種、かつサードパーティー製品での現像結果であることを考慮すれば、かなり優秀と評価できます。
全体像。
背景グレーに差異があるといえばある、といったレベル。シャッフルされたらもう区別がつきそうにありません。
3. またも完璧に近いDigital Photo Professional
次にDPP(Digital Photo Professional)と撮って出しJPEGの差異を確認します。
1箇所だけ2度がある以外は全て1度以下。0が最多とこれは前回のEOS Rと同レベル。ほぼ完璧です。
チャート比較。
上下にずらしてあるため何となく差異が認識できるような気がするものの、飛び出している部分を隠してしまうと正直さっぱりなレベル。数値上は最も差異が大きいNLのMですら判別は困難。実質同等と評価して問題のないレベルでしょう。
ただ、数値が示すように完全一致しているわけではありません。別項にて後述しますが、これはPicture Style Editor(PSE)でカスタムPSを作成する際にはきちんと把握しておく必要があります。
なお、見分けがつかないため本項で全体像は掲載しません。
4. ColorChecker Passportとの相性は悪い?
次はColorChecker Passport(CCP)を用いてACR用のプロファイルを作成します。
*参考:ColorChecker Passport - Camera & Image Calibration: X-Rite Photo & Video
どちらも酷い結果で明らかに過補正な状態。この値を見る限り、使わない方が良いでしょう。
チャート比較。
いつものCCPカラー系…ではありますが、やはり補正が強すぎ使えるかとなれば大いに疑問なレベルです。
ただ前回は良かったRが今回酷いことからもわかるように、CCPは必ずしも安定した結果が得られるツールではありません。R6もサンプルを再取得すれば結果は変化する可能性はあります。
偏りすぎて参考にならないため、本項でも全体像は掲載しません。
5. Adobeプロファイルベースは今回も優秀
次にACRでAcolとANLをベースにした2種類のカスタムプロファイルを作成します。
例によってBとCがシーソーになるパターンなため、今回はBを基準に調整を行いました。
チャート比較。sRGB変換前のAdobeRGBファイルはこちら。
Cのみ+3のズレは生じているものの、目視確認する限り悪くない仕上がりです。紫感の足りなかったpB(Gの上にあるpurplish blue)もいい感じになりました。Acol版とANL版の差異は基本的にコントラスト程度の範疇といった感じです。
全体像。
Acol版はこのサイズだと変化の大きなところはそれなりに判別できるものの、全体で見ればそこまで大きな差異はありません。これはそもそも色相以外の調整はあまり行っていないためです。
ANL版はトーンカーブでコントラストを上げているため差異ははっきりと。個人的にはこれくらいかもう少し緩めスタートが調整しやすいと感じます。
Acolは初期設定でパキっとさせたかったのか以前のASDよりも硬いので、使いづらさを感じる場合はANLから作りこんで行くのがいいかもしれません。ちなみに私は両方登録しておいて使い分ける派です。
6. Picture Style Editorも極めて優秀
最後にPicture Style Editor(PSE)を使用しFFベースのカスタムピクチャースタイルを作成します。
*参考
:キヤノン:一眼レフカメラ/ミラーレスカメラ EOS|Picture Style Editor
:EOS M2 color test vs D750 & K-5IIs
六軸色調整(Six Color-Axes)、特定色調整(Specific Colors)共に容易に理想値を実現できました。やはりACRでの8軸HSL調整よりも簡単ですね。
チャート比較。sRGB変換前のAdobeRGBファイルはこちら。
元から優秀なR6のFFでしたが、少々ズレが気になったCやpBなども補正され違和感も消滅。もはや完璧と評しても過言ではないでしょう。
全体像。
さすがに引きではっきりわかるほど劇的な変化はありません。
元から優秀な上、さらなる追い込みをかけるツールまで提供されていること。これこそCanon機の真骨頂であり、今なお他社が全く追従できていない絶対的なアドバンテージです。
他社はRAW現像ソフトに丸投げしている微調整をボディに登録し、撮って出しJPEGに反映させることができる。しかもその作業は最終調整以外PC内で完結できるため、カメラの設定を変えながら試写と確認を繰り返すような手間も発生しない。これがどれだけ価値があるかということは、多少なりともRAW現像の経験があればご理解いただけることでしょう。
PSEは存在感が薄すぎるのか、レビューサイトで取り上げられていることを見た記憶がほとんどありません。公式ページの説明も非常に簡潔なもので、詳細はマニュアルをお読みくださいと丸投げ状態。あまり需要は無いと認識されているのかもしれません。
しかし前述の通り、Canon機で「色」を追求するなら絶対に切り離せないツールであることは間違いありません。デフォルトPSのあとちょっと、もしくはRAW現像でなければ出せないと感じている「色」があるなら、試す価値は間違いなくあります。
7. 避けられないモアレと偽色
デフォルトで優秀なPS。さらにPSEによる自在な調整で他社を寄せ付けない自由度。RAWから現像した場合も優秀と全方位に隙のない布陣で、まるでRの上位互換のようなR6。
しかしそんなR6にも弱点、Rに及ばない点が。それは低画素機故のモアレや偽色の生じやすさです。
いつもの被写体のこの部分。赤枠で囲ったところを見てみます。
まずは同被写体をスキャナー(CanoScan 8800F:2400dpi)で取り込み縮小したもの。実物を目視した場合のイメージはこれをもう少しスムーズにした感じで、筆塗りの濃淡などがしっかりと見て取れます。
なお、今回はあくまでモアレの検証用データであるため、色についてはひとまず棚上げします。このスキャンデータの色再現性がベストというわけではありません。
こちらはスキャンしたデータの等倍表示。CMYKの網点がまるで円のように連なり、画像を構成していることがわかります。
それでは実際にカメラで撮影したデータで比較してみましょう。今回は参考として前回取得したα7III(2420万画素)も加えた上、同じACRでRAW現像した場合も右側に並べました。これによりボディ内現像との差異を確認することが可能です。
もはや比較するまでもなくその差は明らか。画素数の増加と共にモアレは減少しており、最もモアレが少ないのは3030万画素のR。そしてワーストは2010万画素のR6です。
Rではモアレはほとんど意識する必要もないレベルに抑え込まれており、筆塗りの濃淡もスキャンデータに準じる描写。ACR側では網点の丸構成まで認識が可能です。
それに対し、R6はJPEG/RAW共にモアレがくっきりと。斜めに走るカラーノイズのせいで繊細な塗りが台無しになってしまいました。ここまで酷いと縮小してもばっちり残ってしまうため、かなり厄介と言わざるを得ません。
中間となる2420万画素のα7IIIはRよりはモアレが目立つものの、R6よりは大分マシ。縮小すれば、R6よりも明らかに早い段階で目につかないレベルにまで抑え込むことが可能です。
8. 偽色は自然物でも
前項で大量のモアレが発生したのは被写体が印刷物という特殊なパターンで構成されるものであったからで、通常の被写体で常にここまで酷い状況になることはありません。そこまで心配することはないでしょう。
ただ、それは発生しないということではないのです。
次に自然物として生物、家の猫を見てみましょう。この子の鼻筋部分にご注目。
等倍だけだと若干わかり辛いかもしれないため、200%に拡大したものを右側に。
解像度不足から細い毛の部分で偽色が発生し、カラーノイズとして作用してしまっています。そのため本来きれい(クリア)なはずの部分がノイジーになり、毛皮の色に不自然さが足されてしまっています。
次に木製の手摺り。厳密に言えば人工物ではありますが、素材そのものは天然の木材です。
この点在する何か表皮が剥げたような箇所、これ実は偽色です。実物にこんな色ムラは存在しません。
風景向けカスタムPSが悪さをしている可能性を考慮し、念のためFD(設定デフォルト)でボディ内現像を行ってみましたが、やはり同様に偽色が発生しています。
では本来の状態はどのようなものなのか。それを確認するために撮影したものがこちら。光の条件が異なる別日に撮影したため色味は変わってしまっていますが、同じ場所を同じレンズで接写したものです。
等倍で見ればこの通り。自然で均一感のある色味であることがわかります。感覚的にも普通に風雨に曝された木材といった様子で違和感がありません。
そして前出の画像にあった不自然な色ムラが、木目に起因する偽色であったこともわかりました。
このように、モアレや偽色は印刷物のような特殊な被写体に限った話ではなく、日常に存在する自然物でも常に発生する可能性が存在することが確認できました。しかもこれは縮小しても残りやすいことから、実用面においても厄介な問題なのです。
なおこの問題、ACRを用いることで大幅に改善することが可能です。偽色がうるさかった鼻筋もすっきりと。
不自然に削ったようなノイズ部分も自然な描写に。
カメラ内現像及びDPPでは偽色が発生し、ACRでは抑制される。単純にデモザイクアルゴリズムの質が低いのか、それとも処理速度的に無理があるなど他に理由があるはわかりませんが、原因はCanon内製の現像エンジンであることは間違いありません。DPP(撮影時デフォルト設定)でも再現してしまう辺り、前者の可能性が高いと判断するのが妥当であるようにも思えます。
通常モアレや偽色は人間の視界に存在しないことから、画像の中に生じることで違和感を呼び覚まし、写真の自然さを損なうものです。
そしてこれは色においても同様。元来存在しないカラーノイズがランダムに発生することにより、現実とは異なる色味になってしまうのです。
我々はベタ塗りのカラーチャートを撮影することが目的でカメラを使っているわけではありません。実際の被写体でも発生してしまうモアレや偽色は、色再現性の面においても決して無視できない問題。オールラウンダーとの呼び声も高いEOS R6の数少ない、それでいて大きな弱点とも言えるでしょう。
9. 結論
Canon独擅場であるPSEなどの強みはそのままに、EOS Rから更に磨かれた色再現性。操作系やAF周りも一新され素晴らしい完成度は称賛に値するが、唯一低画素機故のモアレや偽色が弱点か。それを補えるピクセルシフト系の機能が搭載されなかったことだけが残念。
実用性の低さから酷評されたEOS Rの操作系。まるでコンセプトモデルをそのまま製品化してしまったよかのよう。どうしてCanonは差別化のためのデチューンにここまでの心血を注げるのか…
一言で言ってしまえば素晴らしいカメラ。従来からのCanonとしての強みに加え、実用的な操作系や動物対応瞳AF、そしてEOS-1D X Mark III譲りの高感度SNRと2020年の最先端を走るカメラと称しても決して過言ではないでしょう。価格の面も考慮すれば、R5よりもベストバイ扱いされるのも道理です。
R5/R6では従来のレフ機から連なる実用的な操作系に。ようやくスタートラインに立ったか。
色再現性からは外れますが、個人的にR6導入の大きな動機でとなった動物対応瞳AFは素晴らしいものでした。今まではMFを多様していたシーンがほとんどAFでまかなえるという、私にとってはまさにゲームチェンジャー。撮影方法が文字通り一変したため、今では従来のカメラAFが不便に感じてしまうほどです。
今後カメラを購入する際、少なくともメインはこれと同等以上の動物AF性能でなければ選びたくない。そう思うほど楽に撮影ができるようになりました。
どうしても目につくモアレ。画素数を減らすとはこういうことか。
その一方で、EOS Rではほぼ気にならないレベルにまで軽減していたモアレが復活してしまったこと。これは物撮りを評価基準とする身としては非常に残念なことでした。
巷のレビューでは2000万画素で必要十分、主流の2500万画素との差は実用上無きに等しいといった論調が目立つように思えます。確かに2000万画素というのはSNSなどで使用する分には十分な画素数。そもそもモアレや偽色というのは常時発生するわけではありませんから、普段は考慮する必要なしとの主張にも頷けるものがあります。
解像度が高く、毛の描写が非常に滑らかなEOS R。対してデフォルトではガビガビした描写になりがちなR6。シャープネス設定の見直しは必須。
しかしながら、その「例外」がどれだけ発生するかは何をどう撮るか次第なため、その人にしかわかりません。
なお、私が違和感を覚えたのはいつもの被写体ではなく、家の猫を撮っていた時です。高感度SNRに優れるR6なのに、なぜかRの方がクリアで滑らかに見える。それに比べR6は何か低感度でも汚いことがある。その原因を探って辿り着いたのが偽色でした。
その後試写を繰り返した結果、少なくとも猫についてはRの方が高精細なのはもちろん、色の面においてもきれいに、つまり可愛く撮ってあげられる可能性があるという結論に至っています。
もちろんこれはAF性能などは考慮せず、画質だけ評価した場合の話です。実際にはカメラとしての基礎能力に大差があり、撮れ高自体が異なることから「いい写真」がより多く撮れるのはR6でしょう。故にこれは天の邪鬼的というか、ある種の難癖を付けるような評価とも言えます。
ただ、RがR6以上の画質になる可能性があること。逆に言えばモアレや偽色によってR6がその画質を損ねる可能性があることは、間違いないと思います。
これは解像度面からの評価でしょうが、R6を購入しても風景ではRを使い続けるという主張もあったのは、個人的に合点の行くものでした。
主流の2500万画素からすれば2000万画素は80%。20%減ならそこまでの差異は実感できないかもしれません。
しかし、EOS Rは約3000万画素。そこから2000万画素になれば33%の減少です。この差がどのように画質に、色に影響を与えるのかは既に論じた通り。少なくとも私にとっては、無視できる言い切ってしまうには大きすぎる差異でした。
同じようにEOS Rを使用中で、EOS R6への乗り換えを考えている人も少なくないかと思います。発売日から約2年、Rを使用してきた私が実際にR6を試した上での考察が、検討する上での一助となれば幸いです。
間違いなくいいカメラです。ただし、失うものもあります。
参考までに、今回の検証で使用したプロファイルを公開しておきます。以下の記事からどうぞ。
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