Custom Lens Dust Cap RF
使いづらいレンズダストキャップRFを3方向対応に
RFレンズ用のリアキャップ(レンズダストキャップ)は今までのEFレンズ用とは異なり、なんと装着できるのは1方向のみ。まるで昔のサードパーティー製品のようなあり得ない退化をしてしまいました。これを少しは使いやすくする方法を考えます。
当然ながら改造はオプションパーツであろうとメーカーが推奨するものではなく、後述のリスクも生じます。その点についてはよく理解した上で参考になさって下さい。
1. 実に簡単な改造方法
結論から言ってしまうと改造方法は超が付くほど簡単。この画像にある通り、一番長い爪をカットするだけです。
左が爪をカットした改造品、右がノーマル。
この通り改造品はEFマウント用と同様、3方向からの着脱が可能になりました。本当にたったこれだけです。別に特殊な素材というわけでもないため、アートナイフでも1本あれば誰でも容易に加工可能でしょう。
ただし、3の位置ではリスクが生じることを理解しておく必要があります。
2. 生じるリスク
この改造によって生じるリスクがこれ。取り付ける位置によっては爪のかかりが浅くなりがちで、こうして軽く持ち上げただけで隙間が生じてしまう恐れが。そしてここから更に強く持ち上げるともげるように外れてしまいます。
これはあくまで前項画像3の位置、なおかつ回転が不十分だった場合にのみ発生するものです。この位置であっても最後までしっかり回転させれば2箇所の爪で固定され、問題は発生しません。
しかしながら、通常キャップが固定される回転角は約30度未満なのに対し、この位置では約45度以上とかなりの差異が。そのため意識的に回転させない限り角度不足になる可能性は高く、一々目視確認などしていられない現場ではその可能性が一層高まります。
よって使用時は常に固定力が弱い可能性を考慮し、大きな力が加わるような動作は避けるべきです。例えばキャップ部分を摘んでレンズを空中に持ち上げるようなことは絶対にやってはいけません。最悪レンズを落下させる恐れがあります。事前にどの程度で外れるのか等をきちんと把握し、危険性のない範疇で運用するのが無難でしょう。
3. 結論
改造自体は極めて簡単。ただしリスクを理解し自己責任で。
着脱が1方向なだけでなく、形状的に指のかかりが悪い上に滑り止めの目が細かすぎグローブ着用時は特に扱いづらい。なぜ2018年にリリースされた新マウントでこんな不便な仕様になってしまったのか。理解に苦しみます。
しかしこうして改造することで、一番の問題点であった着脱方向については解消することができました。リスクはあるものの、それは運用で十分カバーできる範疇。同じようにRFレンズ用のリアキャップに悩まされている方の参考になれば幸いです。
なお、改造は必ず予備のリアキャップを用意した上で行うこと。レンズやマウントアダプターの付属品しかない状況でやってしまうと原状復帰ができません。絶対にやってはダメですよ。
おまけ
実はEFレンズ用でも検証を行い、一応取り付けるところまでは実現できました。
しかし形状的に相性が悪いのか、少し削り過ぎたら緩すぎて使い物にならなくなってしまったりとどうにも難しい。RFレンズ用が容易に加工可能なため、無理に転用するメリットは薄そうだというのが現時点での印象です。
もしEFレンズ用でも上手く加工する方法が見つかったら、公開し広めて頂けたら嬉しいです。
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