snowfallのメモ帳

趣味に関することなどを適当に綴る備忘録兼用のメモ帳

α7II color test vs D750 & EOS M2 & K-5IIs

D750/EOS M2/K-5IIs比でのα7II色再現性に関する総論

  1. Nikonと同傾向の朱転び
  2. IDCの差異は大きくNX-DやDPPとは程遠い再現性
  3. ACR SONY用プロファイルの再現性も低い
  4. 優秀なCapture Oneの色再現性
  5. ColorChecker Passportの補正結果は良好
  6. DNG Profile EditorでもD750との類似性が?
  7. 結論

サブを含めればDSC-TX5以来、そしてメインとしてはDSC-S50以来のSONY機となるα7II。今回はまず色再現性について検証してみます。

 

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検証に用いるのはいつもの被写体。EOS M2(M2)検証時とほぼ同等のセッティングを行いました。

光源はLED電球(東芝キレイ色:LDA9N-D-G)、WBはマクベスのWBカードでのプリセット。露出は背景の銀一グレーカード(旧)で取っています。

 *参考:照明器具とその演色性(スペクトグラム) / 佐々木ヴァイオリン製作工房

レンズはそれぞれ異なりα7IIはFE 50mm F2.8 Macro、D750はAF-S NIKKOR 50mm f/1.8G、M2はEF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STMで焦点距離34mm(35mm換算時54mm)、K-5IIsはTAMRON SP AF28-75mm F/2.8 XR Diで焦点距離は33mm(35mm換算時49mm)で大体画角が揃うようにしました。絞りはどれもF8.0です。当初α7IIにはキットレンズのFE 28-70mm F3.5-5.6 OSSを用いる予定でしたが、このレンズだと歪曲補正を切ることができないためFE 50mm F2.8 Macroを用いました。

色空間はAdobeRGB。ただしこのページに貼り付けてあるものはブラウザでの表示を考慮しsRGBに変換してあります。

 *関連記事

  D750 color test 2 (retest)
  EOS M2 color test vs D750 & K-5IIs
  D750 color test vs K-5IIs

 

1. Nikonと同傾向の朱転び

ではまず撮って出しJPEGの各CS(クリエイティブスタイル)とACR(Adobe Camera Raw 9.8)の値から見ていきます。

 

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11種類と非常に数の多いCS、しかしその全てでRの値がプラス側に回っています。この転び方は非常に見覚えのあるものでNikonそっくり。α7IIのセンサーはD750のセンサーのバリエーション違いだと考えられますが、その辺りも関係しているのでしょうか。とは言え当然全く同じわけではありません。

それと興味深いのはACRのASD(Adobe Standard)であってもそのプラス傾向が変わらないこと。今までRが朱に転ぶNikonのRAWではそれを補正する傾向だったのに対し、このα7IIではそれがありません。

 

そして同一環境で取得したD750/M2/K-5IIsとの比較がこちら。

 

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M2やK-5IIsに比べればRの朱転びは明らかでD750に似ています。とは言え+11度のD750に対しα7IIは+9度、若干「マシ」と言えるでしょう。

そして似ているのはRとYくらいでBやCはM2に近い傾向を見せる印象。総じて見てもRの9度を除けば2度以内に収まっており、最大11度、次に8度7度と続く「ガタガタ」なD750とは随分と違います。

 

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チャートで見るとこの通り。Rに関しては確かにD750よりはマシ、しかしM2やK-5IIsと比べればまだまだといったところでしょうか。赤、いやギリギリ朱…?と微妙なラインです。GはK-5IIsにとても近い印象ですね。

 

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全体像。こうして見ても概ね印象は同じです。Sa,Gaの赤がD750は完全に朱の領域、対するα7IIはギリギリ赤に見えなくもないものの、実物と比べてしまうと明らかに異なる色合いです。

 

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次にASDでのチャートをチェック。今度はα7IIとD750の立場が逆転、Rはα7IIの方が朱に近い色となりました。とは言えJPEG時と変わらず+9度ですから、D750撮って出しJPEGの+11度より「マシ」ではあります。

 

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全体像。これだと若干わかり辛いものの、同じASDで現像するとD750はNikonの癖が出てきます。これを御せるか否かがNikonのRAWを扱う上でのポイントでしょうね。

 

2. IDCの差異は大きくNX-DやDPPとは程遠い再現性

次にIDC(Image Data Converter)と撮って出しJPEGの差異を確認してみたいと思います。

…がその前に、実はこのIDC現在の最新バージョン(4.2.06)には致命的なバグがあり、色空間Adobe RGB設定で撮影したRAWでCSを「撮影時設定」のまま現像すると滅茶苦茶な結果になってしまいます。

 

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数値からしてこの通り。表示される画像も広色域ディスプレイで色域変換が正常に行えていないケースそのもので異常な彩度です。全く使い物になりません。

この件に関しては既にSONYにも報告済みで調査の結果不具合であったことが確認されています(20161216)。修正版がリリースされるまではCS再設定で回避して欲しいとのことなのでユーザーの方はご注意下さい。

 

//20170218追記

この問題は20161219にリリースされたVer.5.0.00でも修正されていません。

 

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では気を取り直してCS再設定を行った場合の数値を見てみます。

最も良いニュートラルは1度以内に収まっています。しかし他は全て2度位以上。大きいものだと5度6度と誤差の範疇とは言い難いものばかり。とても純正アプリとは思えない再現性です。

 

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まずはチャートから。差異の最も小さかったニュートラルとクリアで比較してみます。

ニュートラルは数値上の差異こそ小さいものの、こうして見るとグレーバランスからして別物。まるでWBの色かぶり補正を変更したかのような緑かぶりです。

 

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全体像。こうして見ると背景グレーが全く異なることがはっきりとわかります。しかしこれは色かぶり補正を調整したわけではなく、デフォルトのまま現像したものです。

 

このようにバグ抜きで考えてもIDCの完成度は低く、カメラの色を再現するための用途に適しているとは言い難いもの。SILKYPIX頼みではないことは評価できます。しかし率直に言ってしまえば使い物になりません。

 

//170218追記

IDCはVer.5.0.00で内部を大幅に変更したらしく、現像結果も大きく変わりました。

 

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数値上大きな差異はありません。一部はむしろ悪化したものもあります。

 

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しかし画像で見るとこの通り。グレーバランスが全く異なっています。v4.2ではあからさまに緑被りしていたものが改善されました。個人的には以前よりも使いやすくなったと感じます。

ただ、それでもJPEGとの差異が無くなったわけではありません。今度はマゼンタ側に補正しすぎたようになってしまっており、むしろJPEGに最も近いのは社外品のACRという状況。やはりまだまだ品質に問題のあるアプリと言わざるを得ません。

 

3. ACR SONY用プロファイルの再現性も低い

続いてACRのSONY用カメラプロファイル(カメラマッチング)を確認してみます。なお、ACRプリセットに夕景、夜景、紅葉は存在しません。

 

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ベストのニュートラルですら5度、最も大きいクリアでは13度もの差異が生じました。とても再現性が高いとは言えません。

しかし純正のIDCで最大6度もの差異があったため、社外品ならこんなものではと錯覚してしまいそうになりますね。

 

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こちらもニュートラルとクリアでチャートをチェック。

露出が変わるのはIDCと同じ傾向。しかしグレーバランスに関してはこちらの方が明らかに良好です。IDCのようなあからさまな色かぶりは見受けられません。

 

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全体像で見ても同様の印象。こうなってくるとIDCで補正をするのとACRで補正をするのとどちらがいいのか(マシか)、難しい感じになりそうですね。

 

4. 優秀なCapture Oneの色再現性

ここまであまりパッとしない結果が続くα7II。次はαユーザー向けに無償提供されているC1(Capture One)を確認してみます。

 

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これは素晴らしいR! A7M2 Genericは他の値もB以外は5度以内に収まっており非常に優秀。今まででベストの結果となりました。

 

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チャートで見てもこの通り。視覚的にもA7M2 Genericが実物に近くベストです。

 

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全体像で見ても印象は同じ。Rの発色が素晴らしいですね。

 

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ちなみにこれは機種に依存するらしく、C1なら常にというわけではないようです。試しに対応しているD750とK-5IIs(M2は非対応)で試してみてもこの通り。あまり思わしくない結果となりました。

 

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C1で良いなと感じたのがこのミッドトーンの階調。非常に豊かでたっぷりと色が乗っているのがとても好感触。ACRよりも更に濃厚に仕上がりそうです。

逆に撮って出しJPEGはまるで色が飛んでいるのかと思うような有様で、階調も乏しくミッドトーンもガサガサ。IDCだと解像度の改善はあるもののシャープネスの影響かザラザラになってしまいました。品質面ではACRやC1と比較になりません。

 

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これは他機種とのJPEG比較でも感じる点です。発売時期もセンサーも近いD750は色の正確さはともかくミッドトーンの階調はしっかり残っており、なおかつ解像度も優秀。EOS M2はDIGICお約束の塗り絵で解像度は損ないつつも、色はしっかり残っており階調も豊か。最も古いK-5IIsはローパスレスらしいモアレなどの荒さこそあれ、その分解像度は高く色の階調も残っています。それに比べてα7IIは…なんなんでしょう、このガサツさは。なんだか一昔前のコンデジみたいです。

 

K-5IIsは画質に関してはK-5相当ですから、実質2010年モデルの画質。それに2014年発売のα7IIが及ばないどころか下手すれば劣るという状況には驚かずにはいられません。これはSONYの画像処理アルゴリズムのレベルが低いことを示していると考えられます。

さすがに一眼、それもフラッグシップシリーズでこの状況は笑えません。来春頃の登場が噂される後継機では他社並みの品質になっていることを期待したいところです。

 

//170218追記

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IDCはVer.5.0.00で現像品質が大きく改善。旧4.2.06では見られたノイジーでザラザラした描写は滑らかに、シャープネス0でも発生していたリンギングもほぼ目立たないようになりました。色の面では未だ問題はあるものの、描写面では随分と良くなった印象です。

 

5. ColorChecker Passportの補正結果は良好

次はColorChecker Passport(CCP)を用いてACR用のプロファイルを作成してみます。

 *参考:ColorChecker Passport - Camera & Image Calibration: X-Rite Photo & Video

 

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んんん、一応各機種の傾向は前回のM2検証時と類似してる印象です。ただM2だけRで異なる傾向を見せた前回とは異なり、今回はD750とK-5IIsも異なる傾向を見せています。ASDで見る限りこの2機種は同じ傾向を示しているにも関わらず、CCPの補正結果は異なったのは中々興味深いです。

そして肝心のα7IIはこの4機種間で最も理想的な補正結果となりました。

 

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チャートで見てもα7IIとD750がそれに次いで良好な印象。

逆にM2はRが回りすぎている影響がモロに出てしまっていますね。K-5IIsはM2ほどではないものの、やはりCCPではマイナスに補正され過ぎる傾向が視覚的にも出てしまっています。

 

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全体像で見てもやはりα7IIは良好。そしてチャートでは粗の目立ったM2やK-5IIsもこの画像ではという前提つきではあるものの、他機種との統一感も取れておりCCPの補正が十分効果を発揮していることがわかります。

 

前述の通りCCPは同一機種であっても補正結果が異なるため、常に理想的な結果が得られるわけではありません。

しかし、今回α7IIではかなり良い方向への補正結果を得ることができました。同一機種でも画像によって補正は異なるとは言え、ある程度の傾向はあります。それを考慮するとα7IIでは積極的に活用してみる価値はありそうです。

 

6. DNG Profile EditorでもD750との類似性が?

最後にDNG Profile Editor(DNGPE)での結果を見ていきます。

 *参考:Photoshop Playbook: How to Use the DNG Profile Editor to Adjust Color and Light - YouTube

 

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チャートを使った自動処理ではろくな結果にならないのは相変わらず。一応今回は数値を取るだけ取りはしたものの、今後はやる必要もなさそうですね…

 

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気を取り直して手動調整を。

相変わらずM2とK-5IIsは素晴らしいです。調整もしやすい。対するα7IIとD750は調整していてもBとCがなんだか似たような傾向でやっぱり兄弟機なんだなぁと感じたり。

ただ、それでもやはりα7IIの方が「マシ」な感じです。それがこうして数値にも現れました。

 

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チャートはこのような結果に。

数値通りかなり近い、しかしそれでもまだ個性は残っているのが面白い。この差異を完璧に消せるほどの腕前が欲しいものです。

 

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全体像で見ても非常に近く、とても良好です。

D750のYなど見る人が見れば機種を特定することができるかもしれません。しかしそろそろ前情報無しでは難しいレベルに達しているように思えます。

 

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各カメラの撮って出しJPEGとの比較。左がJPEGで右がDNGPEのカスタムプロファイル。sRGB化で結構色が変わってしまっている(特にCが顕著)のであくまで参考程度に。

やはりM2とK-5IIsは非常に優秀。特にK-5IIsのRやMなど素晴らしいものがあります。

しかしM2はGに、K-5IIsはYやCに弱さがあるのも今まで通り。機種ごとの個性が見られて面白いですね。

D750の変わりっぷりも相変わらず。得意のYは流石なものの、後はもう一通り変わっちゃってる感じに。これを素材にした時は手間がかかって仕方ありません…

そして肝心のα7II。数値上RはD750と2度しか変わらず「マシ」でしか無かったものの、こうして見るとD750より元から随分と良かったように感じます。

 

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これは色相的には2度しか変わらないものの、彩度は7%高く明度は6%低いことが影響しています。言うなれば色が「濃い」お陰で色相の数値以上に差があるように見え、なおかつα7IIの方がより「赤っぽく」感じるのでしょう。実際には濃い朱であって赤とは言い難いものの、D750のRよりは随分と「マシ」です。

そしてBやG、M辺りは元から優秀だったこともあり比較しても補正量は少なく、全体を通してみても「悪くはない」というのが個人的な印象です。

 

7. α7IIの色再現性に関する結論

単独で見ると悪くはないが良いとも言えない。ただしD750よりはマシ。RAW運用前提のある意味前時代的カメラ。C1をどう扱うかで評価が分かれる。こんなところでしょう。

 

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過去の測定値一覧

 

やはり色に関してはPSE(Picture Style Editor)が存在するCanonに勝るものはありません。元の優秀さに加え、調整可能な幅の次元が違います。元来PCでのRAW現像時に調整する内容をカメラに組み込めるようなものです。

そしてACR前提ならば個人的にはPentaxが最高の選択肢だと思っています。特にK-1はリアル・レゾリューション・システムによる解像度や低ノイズも驚異的で、これ以上の画質は中判でもなければ無理ではないのでしょうか。つくづくレンズの状況などがその魅力を損ねてしまっていることが残念でなりません。

Nikonはどこまで行ってもNikonです。赤は出ません。更にRAW前提で見ても独自の癖が強く、それを補正しようとすると大変な労力を要します。しかも他社の数倍の労力を費やしても得られる結果は他社未満なことも多かったりと、苦労してもそれに見合った素晴らしい結果が得られるというわけでもありません。他社ならば不要な下拵えを毎度要する手間、これが負担になり今回の乗り換えに繋がりました。

そしてSONYCanonPentaxほどではないものの、Nikonよりはマシとなんとも微妙な立ち位置。色再現性の面から積極的に選択するブランドではないように思えます。しかも前述の通りJPEGの品質も旧世代感があったりと、画質面においてなんとも微妙な印象です。

 

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更にその微妙さを助長しているのがこの画像の調整幅。驚いたことにα7シリーズで調整できるのはコントラスト、彩度、シャープネスの3項目のみ。しかも範囲は±3だけな上に1ステップという粗さで、たったの7段階しか設定ができません。正直、初めて見た時はでっかいコンデジかと思いました。

個人的にニュートラルは普段使い用としては微妙に使いづらいため、JPEGはスタンダードのコントラスト-1もしくは-2に設定しています。でも本当は-1.5にしたいのです。1変えるだけで結構変わっちゃうし、粗すぎますよねこれ。

ちなみにPSEがあるCanonは言うに及ばず、色再現には難のあるD750でも調整は0.25ステップで可能であったりと比較になりません。K-5IIsも5項目を±4の範囲で調整が可能な上、コントラストやシャープネスに関しては更に詳細設定が可能です。

 

こと色再現性の面においては悪くはなくとも凡庸な性能。そしてその調整可能な幅も極めて狭いと言わざるを得ません。C1が素晴らしい相性を見せたのは予定外の嬉しい誤算ではありました。ですがこれもまたRAWが前提。カメラ単独で完結できない辺り、一昔前の撮って出しは低品質でRAWを使うのが当たり前だった時代のカメラのようです。

 

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今や撮影後すぐにスマホタブレットに転送して閲覧したりSNSにアップロードするのも当たり前。ある意味昔よりも撮って出しの質が問われる時代です。当然SONYもそれに対応しているにも関わらず、肝心の撮って出しの品質が微妙でろくな調整もできないのではお話になりません。やたら種類の多いCSで対応しているつもりなのかもしれませんが、α7シリーズはあくまで一眼。ユーザーが自分の思い通りに調整できないのでは、スマホコンデジに比べて圧倒的に大きく重いカメラボディが泣きます。プロ市場も見据えているというのなら、今後の新製品では改善して欲しいものです。

 

と、かなり辛口の評価になっちゃいましたけど、色再現性を含めトータルで見れば悪いわけではなくむしろ良いんですよ。ただカメラ単独で見た場合、色再現性のみで評価すれば凡庸で特別優れているわけではないためこのような評価となりました。調整可能な範囲の狭さも考慮すると、正確な色のためのカメラとして推奨できるものとは言い難いでしょう。

ただ、C1を加味するなら話は別です。C1による現像時の結果は素晴らしいものがあり、ベストではなくともベターな選択肢の一つと言っても過言ではありません。

しかしこのソフトはαユーザーに無償提供されているとは言え、あくまで社外品。純正のIDCならばともかく、社外品のC1もこの機種の評価に含めていいものなのか。これは人によって判断が分かれるところではないでしょうか。これを言い出すとじゃあACRは?と始まってしまいますからね。カメラ単独の撮って出しで評価するのが基本でしょう。

とは言え無償で提供されていることは間違いありませんから、全く考慮しないというのも微妙です。ですのでここは各ユーザーの運用方法(C1を使うか否か)次第の飛び道具的扱いで良いかと思います。

 

また、より新しいセンサーを搭載したα7RIIを見るに、新型ほど色再現性についても改善傾向があるようです。つまり来春の登場が噂されるα7III(仮)では更なる改善が期待できる、かもしれない。少なくとも悪い意味でも安定してしまっているNikonとは違い、今後の伸び代が期待できるのもSONYの良いところ。実を言えばこの将来性が私の乗り換え理由の一つでもあり、この辺りをどう見るかでも評価は変わってくるかもしれませんね。

 

参考までに、今回の検証で使用したDNG Profileを公開しておきます。以下の記事からどうぞ。

 Custom Camera Profile

 

//170218

項目2と4にIDC5.0.00関連の記述を追加

 

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