snowfallのメモ帳

趣味に関することなどを適当に綴る備忘録兼用のメモ帳

SONY standard zoom lens test - with α7II

選択肢はFF対応のみなのか - α7II用標準ズームを考える

  1. 各レンズスペック比較
  2. 装着時外観
  3. 無視できない4mmの差
  4. 28mmでも性格の異なる3本
  5. 同解像度でのSEL2870とSELP1650の差異
  6. 実利用解像度では更に縮まる差異
  7. 異なるボケ量
  8. 結論

SONY α7シリーズは35mmフルサイズセンサー(以下FF)を搭載したカメラ。なので当然使用するレンズもFF対応品を選択するのが当たり前。

果たして本当にそうなのか。標準ズームを通しこの件について考察します。

1. 各レンズスペック比較

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今回比較に用いるのは主にSELP1650(E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS)とSEL2870(FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS)の2本。それにSEL2470GM(FE 24-70mm F2.8 GM)を加えてそれぞれのスペックや実装着時の外観、そして使用してみてのフィーリングを交えて考察します。

なお、これはあくまで私個人の運用に基づく見解です。運用方法が異なれば判断が大きく異る可能性があることはご了承下さい。

 

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それではまず各レンズのスペックから確認してみましょう。参考用としてFF対応のSEL2470Z(Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS)も加えました。

まず焦点距離。これはSELP2870だけワイド端が28mmと4mm長く、明確な差異があります。広角であればあるほど1mmの差異は大きく、24mmと28mmの差は大きいと言えるでしょう。広く撮りたい場合の影響は無視できません。

SELP1650のテレ端は他より5mm長くなっているものの、これはクロップで1.5倍されたことによるもの。そのため他の3本より実質的には長いわけではありません。

次にF値。これはサイズと重量と価格に直結する項目で、より大きく重く高価な右側ほど明るくなっています。F2.8通しが必要ならSEL2470GMしか選択肢はありませんし、F4.0通しならSEL2470Z以上が必要です。

ちなみにSELP1650とSEL2870のF値は同等になっているものの、SELP1650の焦点距離が1.5倍されるため、実際にはSEL2870の方が明るいということになります。

次に最短撮影距離。SELP1650とSEL2870は焦点距離によって変動するため、ワイド端の最短距離で位置を固定したままズームする使い方はできません。カメラを移動させる必要が出てくる可能性があります。SEL2470GMとSEL2470Zは一定のためそれがありません。

次に最大撮影倍率。これはSEL2470GMがベスト。他はSELP1650が0.215と多少頑張っているものの、他の2本は0.20以下とあまり振るいません。

次に手ブレ補正の有無。これは写り最重視のSEL2470GM以外は3本とも搭載…されているものの、SELP1650の手ブレ補正はα7IIで動作しません。そのためボディ側の手ブレ補正のみとなり、レンズ側と併用となる他の2本に比べ補正が劣ります。

次に最大経。これは外観から受ける印象通りSELP1650が最小、SEL2470GMが最大です。SEL2870とSEL2470Zの差異は0.5mmとほとんど変わりません。

次に長さ。これはSELP1650とSEL2470GMが際立っており、SELP1650はSEL2870比で約36%と非常にコンパクト。逆にSEL2470GMはSEL2470Z比でも約144%、SELP1650比ではなんと約455%と極めて大きなレンズであることがわかります。

ただし、他社も含めて見ればこのクラスとしては標準的なサイズであり、むしろ他の3本がコンパクトに収まっていると言えるでしょう。特にSELP1650の短さは驚異的で、APS-C用としては最短のレンズです。

次に重量。これまた明確な差異があり、SELP1650の軽さとSEL2470GMの重さが際立っています。

ただこちらもSEL2470GMはクラス相応なのに対し、SELP1650の軽さは驚異的。これまたAPS-C用としては最軽量クラスです。

最後に画素数と画像解像度。これはFF対応レンズは当然フルスペックなのに対し、原則クロップしての使用となるSELP1650だけは1000万画素相当。解像度を要する用途では大きな差異と言えるでしょう。

 

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キャップ分を足してもまだSEL2870未満

このようにスペックだけ見てもそれぞれ特徴があり、ほぼ揃っているのは焦点距離程度。そして特筆すべきはSELP1650のコンパクトさ。この小型軽量を実現しながらワイド端24mmスタートの焦点距離は驚異的。クロップによる画素数減というデメリットはあるものの、逆に言えばそれが問題にならない用途なら大いに活躍してくれそうです。APS-C用だからという理由で無条件に選択肢から外してしまうのは勿体無いように思えます。

 

2. 装着時外観

次に3レンズをα7IIに装着した姿を見ていきましょう。

 

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まずはSEL2470GMから。

一言で言えば「デカイ」。確かにF2.8通しの標準ズームとしては他社と大差があるわけではありません。しかしFFとしては非常にコンパクトなボディをしているため、相対的にレンズが巨大に見えてしまいます。

そして重量バランス的にもトップヘビーとなるため、ボディよりもレンズ側で支える感じに。そのため構えた時のフィーリングも他社レフ機とは若干異なります。

ただ総重量は1485gとこのクラスのレンズを装備したFF機としては抑えられている方であり、特別重いわけではありません。以前使用していたD750+AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRの1550gよりも軽いくらいです。

と言っても、軽くて取り回しがし易いとは口が裂けても言えないです。巨大なフードを取り付けると更に凄いことになります。

 

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次はキットレンズでもあるSEL2870

これはα7シリーズにキットとして同梱されているため、多くの人にとって見慣れた姿でしょうか。別段大きくもなければ小さくもない、「普通」な感じです。

総重量は894gと非常に軽く、APS-CのK-5IIsにSP AF28-75mm F2.8 XR Diを装着した時の1270gよりも30%近く軽量。ボディ自体が599gと軽量なことと相まってFF機とは思えないほど軽く仕上がっています。これならば特に重いと感じることもないでしょう。

 

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最後にSELP1650

ここまで来るともう笑ってしまう状態に。最早ネオ一眼どころかパンケーキレンズを装着したマイクロフォーサーズレベル。総重量も715gと最軽量でSEL2470GM装着時の半分以下。重い一眼レフに慣れたユーザーだと本当にレンズが着いているのか不安になるほどの軽さでです。

 

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このSELP1650は沈胴式なため実使用時は全長が伸びます。しかしそれでもSEL2870未満。そもそもズームレンズが使用中に伸縮するのは普通で、重要なのはバッグに収納したり移動する時にどれだけコンパクトに収まるかです。その点このSELP1650は最高の収納性を有しています。

 

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なお、このレンズは電動ズームであり、片手でボディの電源を入れたら自動的に撮影可能な状態になります。これは手動でロックスイッチを解除する必要があり、両手での操作を要する他社のコンパクトレンズに比べ優れた点です。

 

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各レンズを斜め上方から。

こうして並べてみてもサイズの差は明らか。というか同じカメラとは思えないくらい違いますね。

 

サイズと重量はカメラの機動性に直結する項目。そしてそれを最重視するのであれば選択肢はSELP1650しかありません。

ただ、当然他の項目では妥協を要することも考慮する必要はあります。

 

3. 無視できない4mmの差

次はSELP1650とSEL2870のワイド端側4mmの差異はどの程度のものなのか、実写データを元に確認してみます。野外での風景撮影を想定し、三脚に固定したα7IIのレンズを交換する方法で撮影を行いました。レンズ補正は3種(歪曲収差/色収差/周辺減光)ともオート。RAW+JPEGで撮影したJPEGを用いています。

 

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赤枠の内側がSEL2870の28mm

こうしてみると明らかに異なることがわかります。クロップや拡大で誤魔化すこともできるテレ端側と異なり、ワイド端側は通常レンズのスペック以上に引き伸ばすことはできません。もしできるだけ広い画角で撮影したいのであれば、SEL2870以外を選択する必要があるでしょう。

 

4. 28mmでも性格の異なる3本

次に3本のレンズを28mmに合わせ、同じ画角での描写の差異を確認します。

 

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比較するのは中央、右端、そして左上の3箇所。この赤枠で囲った箇所の描写を等倍で確認します。

画角は極力揃うようにはしたものの、やはり多少のズレはあります。またSELP1650はクロップしている関係上、赤枠に収まる範囲が広くなります。

 

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ではまずセンターから。

端的に言ってしまえばどのレンズも十分に優秀です。通常センターは最も性能が高いため、当然と言えば当然の結果かもしれません。

ただ、それでもやはりレンズごとに差異はあり、SEL2470GMがベストの性能を有しているのは誰の目にも明らか。開放から左端の壁面にモアレが出る程で他を寄せ付けません。そして画角も異なり単純比較はできないものの、SEL2870はぽわっとしていてSELP1650の方がしゃっきりしているような印象です。

とは言え、差異はあれど3本共に十分な性能は有していると判断して問題ないでしょう。

 

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次に右コーナー。

ここではセンターよりも明確な差異が生じました。やはりベストなのはSEL2470GMで、開放のF2.8であっても他の2本のF8.0を超えるレベルの描写になっています。

それに比べてSEL2870とSELP1650の開放はどちらもボケボケ。一応SEL2870の方がマシではあるものの、酷い状態で使い物にならないレベル。

しかし絞れば改善の余地はあります。風景などを周辺までしっかり撮りたいのであれば、十分に絞り込む必要があるでしょう。

 

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最後に左上コーナー。センターから最も遠く一番厳しいところです。

やはりここでもSEL2470GMが別格。明らかに他の2本とは異なる描写で開放から寄せ付けません。SEL2870とSELP1650は今まで同様絞ることで改善されてはいくものの、F8.0まで絞ってもSEL2470GMの開放にすら及ばない印象です。根本的に性能が異なることがわかります。

そしてSEL2870とSELP1650の差異はセンターの時と似通っており、SEL2870が緩めでSELP1650がしゃきっとしている印象。こうして見るとSELP1650の方が早い段階から描写が改善しているのに対し、SEL2870の方は中々改善が乏しく立ち上がりが鈍いようにも見えます。ワイド端では絞っても周辺があまり改善しないレンズとの評価はこの辺りから来ているのかもしれません。

 

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3本を比較してわかるのは、この焦点距離ではSEL2470GMが他を寄せ付けないということです。センターコーナー場所を問わずにその差異は大きく、絞ればどうにかなるような次元ではありません。解像度を最重視するのであれば選択肢はSEL2470GMのみ。

ただし、大きく重く機動性は最低であることも理解しておく必要があります。

 

5. 同解像度でのSEL2870とSELP1650の差異

SEL2470GMが段違いに優秀であることはわかりました。ではSEL2870とSELP1650の差異はどの程度のものなのか。それを確認するためSEL2870の画像を縮小し、SELP1650でクロップした状態の解像度に近付け比較をしてみます。

Photoshopで6000x4000pxの画像を66%にリサイズし、3960x2640pxに変更。アルゴリズムバイキュービック(滑らかなグラデーションに最適)を用いています。

 

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まずはセンター。

これは微妙な差異。一応F4.0まではSEL2870の方がしっかりしており、F4.5でも若干良いと言えなくもないものの、正直誤差の範疇と見做しても問題ないレベルに思えます。

 

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次に右コーナー。

ここはセンターとは異なり明確な差異が生じました。開放はもちろんのこと、F8.0まで絞っても僅かではあるもののSEL2870の方が優位。等倍ではここまでの差異が見て取れなかった辺り、縮小による解像感の向上効果も効いているようです。

とは言え、開放では酷い有様のSELP1650も絞ることで改善し、SEL2870との差異も縮まって行きます。

 

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最後に左上コーナ。

ここは正直あまり差異を見出だせない印象です。被写体がシンプルなため、右コーナーの樹木のような差異が生じ辛いということかもしれません。

ただ、やはり等倍で見た時同様SEL2870の方が絞っても緩さが残る印象はありますね。

 

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こうして見ると、思っていたよりも差異があるなと言った印象です。SEL2870は50mm付近にピークがある印象でワイド端はあまり良い印象はなかったものの、それでもあのサイズなりの性能は有しているようです。逆にSELP1650は小型化による無理が出ているのかと言ったところでしょうか。SEL2870よりも更に強烈な歪曲収差補正や周辺減光補正も影響しているのでしょう。

とは言えそれもあくまで周辺での話。センターは似たり寄ったりで等倍ではむしろSEL2870の方が緩い感がありますし、周辺も絞ればその差異は小さくなっていきます。それらも考慮するとあくまで差異はあるというだけの話であり、SEL2470GMのような絶対的なものがあるわけではありません。この解像度の差異が機動性の差異に見合うのかはなんとも微妙な印象です。

 

6. 実利用解像度では更に縮まる差異

SEL2870の画像解像度をSELP1650に合わせた場合、周辺ではそれなりに有意な差異が生じることがわかりました。ではそれが実際に画像を利用する際どの程度影響を与えるものなのか。それを確認してみます。

以前の検証時に確認したところ、普通の写真サイズ(L版)だと1524x1074(300dpi)あればいいそうです。

 *関連記事:EOS M2 resolution test

そしてSNStwitterやこのHatenaBlogだと長辺1024px程度。となるとL版であればクロップ状態から41%にリサイズした1614x1076px、SNS用であれば27%にリサイズした1063x708pxあれば対応可能と考えることができます。前項目で最も差異のあった右コーナーの画像を41%と27%にリサイズし、その解像度を擬似的に再現してみます。

 

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まず41%

確かにF5.6まで差異は確認できます。できますが、その差異はリサイズ前よりも格段に小さく、果たしてそれに意味があるのか疑問な程度。そしてF5.0でも同様に差異は小さく、それなりに異なるのはF4.5以下のみとなりました。

次に27%

確かに木の幹等にF5.6でも差異を確認することはできます。しかしこれは事前に把握しているからこそであり、もし前情報が無かったらすぐに気付けるのはF4.5まででしょう。

そしてそのF4.5も果たして意味のある差異なのか。しかもこれはあくまでコーナーの一番悪い部分がこうなっているだけ。全体像で見ればF4.5以上は最早誤差の範疇です。

 

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縮小率が上がるほど差異は縮まり、SNS用では開放でもなければ無意味なレベルに。しかも風景対象であれば通常絞り込むことが想定されるため、実質この2本の差異は無きに等しいと言っても過言ではないでしょう。

ただし、SNSにもFlickrの様にオリジナル画像をそのままアップロードできるものもあります。それを考慮すると、2400万画素をフルで使え周辺画質が若干優れる可能性のあるSEL2870のメリットが絶対に無いと断じることはできません。

とは言えそのような用途にはより高性能なレンズを用いれば良いわけで、コンパクトで絞れば周辺も十分解像するSELP1650の方が汎用性に優れることは間違いありません。

 

7. 異なるボケ量

ここまでSELP1650に対しあまり優位性を示せていないSEL2870。しかし一点、明確にSEL2870が勝っているものがあります。明るさからくるボケ量です。

 

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SEL2870の50mmに画角を合わせたもの。被写体までの距離は約0.6m

SEL2870の開放F値は4.5…ですがどうやら設定をミスしたらしく、F5.0で撮影してしまていました。そのためほぼ同等の結果となるSEL2470GMのF4.5とF5.0を参考用として加えてあります。

こうして並べてみるとその差は一目瞭然。この焦点距離では開放F値が5.6になるSELP1650に対し、SEL2870及びSEL2470GMのF4.5はもちろんF5.0でもボケ量が明らかに多い。こうしてボケを活かして被写体を浮き上がらせたい場合、SELP1650には絶対に超えられない壁があるということです。

 

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なお、仮にFF対応レンズ側を同じF5.6にした場合でもボケ量は同等にはなりません。これは画角を揃えた場合、SELP1650の焦点距離はクロップしている関係上FF対応レンズより短く被写界深度が深くなるためです。この辺りがよくFFはボケると言われる所以です。

 *参考:フルサイズはAPS-Cよりボケやすい!はウソだけどホントでもある理由。 | studio9

 

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今回の状況ではF7.1まで絞ったところで大体SELP1650のF5.6と同程度のボケ量となりました。つまりSELP1650はボケを得ようと画質は妥協し開放で撮ってもFF対応レンズのF7.1程度にしかならず、逆にSEL2870は多少絞って画質を向上させてもSELP1650以上のボケ量を得ることができたのです。これはワイド端の焦点距離に次ぐ絶対的な優位性であり、SELP1650ではなくSEL2870を選択する価値の一つです。

 

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ただし、これはあくまでSELP1650と比較すればの話。SEL2870もFF対応でF2.8通しのSEL2470GMと比較してしまえばこの通り。開放F値4.5ではその先のボケ量を得ることはできません。それを得るためにはSEL2470GMのようなより明るい大口径レンズが必要になります。

しかし明るく大口径なレンズはその分大きく重く、そして高価です。それを考慮するとSEL2870のコンパクトでキットレンズとして安価に入手可能なことは大きなメリット。手軽にボケを活かした写真を撮りたいのであれば、中々バランスの取れた選択肢と言えるのではないかと思います。

 

ノイズや解像感と異なり、ボケ量の差異は縮小しても縮まりません。歪曲収差同様最後まで影響が残るため、誤魔化すことができない項目です。

 

8. 結論

選択肢はFF対応だけではない。目的次第ではAPS-C用も大いにあり。

 

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α7IIでAPS-C用レンズも気兼ねなく選択できる理由の一つがEVFです。

 

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通常レフ機でAPS-C用レンズを使用するとこうして周辺が狭まってしまい、ファインダーをフルに使うことができなくなります。そのためFF対応レンズでなければ最大のメリットであるOVFを活かせません。

しかしEVFではそれがない。レフ機でLVを使った時同様、ファインダーはフルに使えデメリットは生じないのです。これはEVF搭載機ならではの強みです。

 

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更にミラーレス機ならではの強みがマウントアダプターへの対応力。かつてはオールドレンズ遊びなどちょっとマニアックな存在だったものが、今やシグマ純正MC-11まで登場。対応レンズでは普通に他マウントと同レベルで使える時代に。もちろん互換性の面など純正Eマウント同様とは行かないものの、以前とは比較にならないほど手を出しやすい存在になったことは間違いありません。

そしてマウントアダプター込みで考えるとズームレンズの選択肢もグッと広がります。例えばシグマの18-35mm F1.8 DC HSMなどは驚異的に明るく、APS-C用ながらも十分なボケ量を得ることができるのです。

 

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FF機にはFF対応レンズを使う。確かに誰しも考えることで間違っているわけではありません。

しかし、その考えにとらわれ選択肢を狭めてしまうのは非常に勿体無い話。クロップされようとDレンジが広くSNRも優れるFF機を使うメリットは十分にあります。先入観を捨て、用途に合ったレンズを選択するのがベストでしょう。

 

ちなみに私はつけっぱなしの常用レンズには画質優先のSEL2470GMを、持ち出す際などに小さくまとめたい時はSELP1650を用いるようにしています。APS-C用だって悪くありませんよ?

 

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