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snowfallのメモ帳

趣味に関することなどを適当に綴る備忘録兼用のメモ帳

D750 Auto Distortion Control test

camera test D750 Camera RAW Capture NX-D

D750のゆがみ補正と色収差軽減に関する総論

  1. ゆがみ補正はRAWには無関係
  2. D750のゆがみ補正とNX-Dのゆがみ補正には差異がある
  3. D750の倍率色収差軽減は優秀
  4. 結論

D750の自動ゆがみ補正と倍率色収差軽減の効果について検証します。

1. ゆがみ補正はRAWには無関係

次にD750のゆがみ補正(自動ゆがみ補正)について。これはonにすると対応するレンズの歪みを自動で補正してくれる便利な機能。

しかしRAWにも影響を及ぼすとの説もあるようなのでそれを確認してみます。

 

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まずは撮って出しJPEGから。左半分がoff(デフォルト設定)で右半分がon。レンズは記載の通りAF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRで焦点距離は120mm、絞りはF7.1です。

中央を見ればその差は明らか。onでは糸巻き型の歪みが補正され縦に引き伸ばされていることがわかります。素晴らしい効果ですが果たしてこれはRAWの時点で補正されたものなのか。それを同時記録したRAWで確認してみましょう。

 

f:id:snowfall_2015:20160211201505j:plain

こちらが同時記録したRAWをACRでレンズ補正無しで現像したもの。

JPEG同様右半分はonで撮影したRAWですが歪みはoffの左と変わらず。つまり補正はされていません。

恐らくRAW自体が補正されるとの説は純正現像ソフトでRAWを開いた時にデフォルトで補正がonになっていることから生じた勘違いでしょう。実際にはこの通り無関係なのでRAW撮影時はこの設定を気にする必要はありません。

 

2. D750のゆがみ補正とNX-Dのゆがみ補正には差異がある

歪み補正はカメラボディはもちろんACRなどの現像ソフトでも大抵使用可能でレンズの性能を補ってくれる便利な機能です。

しかし機能自体は同じでも実際の効果にはそれぞれ差異があります。

 

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左がD750でゆがみ補正をonにした撮って出し。右が同時記録したRAWにACRのレンズプロファイルをonにして現像したもの。

どちらも補正自体はかかっているものの、その結果は異なることがわかります。ACRの方がより大きく補正をかけているようですね。

ただ、これは当たり前と言えば当たり前の結果。NikonAdobeでは正時のパラメーターが異なるというだけの話でしょう。

 

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しかし驚きだったのがこちら。左はNX-D(Capture NX-D)でゆがみ補正onで現像したもの。右は同じRAWをACRのレンズプロファイルをonにして現像したもの。

左右の結果がほぼ一致していることがお分かり頂けるでしょうか。ACRとほぼ一致しているということは、NX-Dの補正は撮って出しJPEGとは異なるということです。つまり純正でありながら撮って出しと揃えることができないのです。

 

以前の検証でもグレーバランスやヴィネットコントロールの結果が異なることは確認していました。

 *詳細:D750 Capture NX-D & ViewNX-i quality test

しかしそれに加えてゆがみ補正まで異なるとは。歪み補正は変形させたあとに周辺を切切り落とすため、構図にも影響を与える機能。そして後処理で再修正するのも難しいことから、ある意味前記の2項目以上に厄介な差異と言えるかもしれません。

と言うか、純正なのに撮って出しよりACRに近いのは何の冗談なんだか。全然笑えません。

 

3. D750の倍率色収差軽減は優秀

気を取り直して最後にD750の倍率色収差軽減の効果を確認してみます。これはD3/D300から搭載された機能で自動的に色収差を補正してくれるというもの。デフォルトでonになっており設定から切ることはできません。そのため撮って出しJPEGではその差異を確認することができません。

しかしRAWならoffで現像できるため比較が可能です。

 

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左上から撮って出しJPEGNX-D(補正on)、ACR(補正off)、ACR(補正on)です。

無補正では色収差が目立ちますがそれ以外はしっかりと補正されています。撮って出しもボディでの処理だからといって特段劣るようなこともありません。メーカーがon固定にしてあるのも納得の素晴らしい効果です。

 

4. ゆがみ補正と色収差軽減に関する結論

ゆがみ補正による劣化は不可避。ただ実質的には問題にならない。

 

こんな感じじゃないでしょうか。

歪み補正は部分的に引き伸ばしたり縮めたりと変形させてるわけですから、無補正と比べれば劣化は避けられません。onにしたらぼんやりして解像感が損なわれたと感じるのも当然のことです。また余計な処理が入る分、連射にも影響してきます。

ただ、それが問題になるか否かはその後の使い方次第。等倍で見ればわかる差異も縮小してしまえば誤差の範疇に収束しいずれは消えます(知覚できなくなる)。連射もしない場合は関係ありません。

しかし、レンズの歪みはどれだけ縮小しても残ります。

 

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実際にどの程度解像感が損なわれるのかを確認してみましょう。

糸巻き型に歪む105mmで撮影し左が補正off、右が補正onで等倍もしくは50%、25%、17%にリサイズ(縮小)してから切り出したもの。リサイズ時のアルゴリズムバイキュービック(滑らかなグラデーションに最適)を用いています。

等倍で見るとその差は明らか。確かに補正(変形)した方はソフトフォーカスがかかったようにボワッとして解像感が損なわれています。これでは補正で劣化するとの指摘が出てくるのも当然ですね。

しかし50%にリサイズしたらどうでしょう。既にこの時点で等倍では明らかだった解像感の差異は誤差の範疇に収まっており、正直これだけ見たら見分けが付かないレベルです。更に縮小した場合も同様でtwitterなどに向いた1024pxに収まる17%など絶対に見分けることはできないでしょう。

これは縮小率の高さで粗を隠すことの出来る高画素機のメリットの一つ。実際の使用時は縮小することがほとんどですからね。画質の比較を等倍だけでは評価できないのはこういった面もあるからです。

 

このように等倍では確かに解像感が損なわれていることが見て取れたものの、縮小してしまえばその差異は実質的に消えてしまうのです。

当然補正量が多くなればそれだけ解像感も大きく損なわれ、多少縮小した程度では差異が残るとの考えもあるでしょう。しかし補正の量が多いということはそれだけ歪みが大きなレンズということであり、補正しなければその大きな歪みがそのまま残るということでもあります。

画質のチェックをする時に等倍表示するのは当たり前。しかしチェック時には確認できても実際に使用する時には誤差の範疇に収まっていく差異と最後まで残る歪み。どちらを取るかとなれば、特別な理由が無い限りは後者の補正を選ぶのが無難でしょう。

 

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でもやっぱり無補正の解像感を損ないたくない、補正でボヤけてしまうのは嫌。その気持ちもわかります。

そこで試してみたのがこちら。左が補正off、右上が補正on、そして右下が補正onにシャープ処理(ハイパス半径0.9)を行ったもの。それぞれ等倍で切り出したものになります。

どうでしょう? 一番ボヤけている(解像感が損なわれている)のは変わらず補正onのもの。しかし最も解像感が高いのは補正onにシャープ処理を行ったものになりました。この差異は無補正/onよりも明確です。もう少し弱めにかければ無補正とほぼ同じ程度にすることも可能でしょう。

このように後処理でどうにでもなってしまう程度のもののために後処理が面倒な歪みを放置する価値があるのかは微妙と言わざるを得ません。

 

自動歪み補正に関しては解像感が損なわれるからとoffにする人もいるようです。確かにそれは間違いではありませんし、気持ちもわかります。

ですが、果たしてその差異は実際の用途にも影響するものなのか。PCの輪郭強調設定やシャープ等の後処理で補えないものなのか。単に等倍観賞した時だけの問題ではないのか。そもそも品質を求めるならRAWを使うべきではないのか等々。そのこだわりに意味があるのか否か、一度考えてみるといいかもしれません。

私の場合はRAWが基本でJPEGは補助。軽い用途にしか使わないしこの設定が問題になるような連射もしませんから常時onにしときます。一々あとで歪み補正とか面倒ですしね。手軽に使えてこそ撮って出しJPEGです。

 

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